1.日本・韓国にまたがる”マイナスイメージ”について
-ⅰ韓国
弟格として見てきた日本に侵略された恨みは大きなものがある。
特に戦前の植民地時代のそれは、自尊心を踏みにじられた思いが強く、今なお恨みが強く残っている。
-ⅱ日本
韓国を格下に見たがる傾向がある。
明治以降、西洋文明を取入れ急速に発展したため、それ以前の時代とは立場が違う、上になって教えてあげる立場だと思っている。
以上をまとめると、この問題は兄弟間の争いと同じであり、どちらが上であるかを競っている関係となっている。
このままでは、永遠に問題の解決はしない。
両国民の意識を互いに競い合う兄弟関係から、互いに役割を認識して助け合う『父母(夫婦)の関係』に転換させる必要がある。
2. 日本・韓国にまたがる”マイナスイメージ”の払拭 のために
-ⅰ 兄弟間の争いの終焉
互いにどちらが上かという兄弟間の争いの次元から、互いの役割を理解し協力し合う父母の関係へと高めていく。
そのために、日本においては、歴史的に見て韓国には大変お世話になった国・恩義ある国という意識を持つようにさせる。
韓国においては、日本が感謝していることを知らしめ、複雑になった感情を解きほぐす。
《具体策》 朝鮮通信使の活用
江戸時代に行われた朝鮮通信使を通じて、過去の交流による恩恵を見直し、地方から日韓友好の気運を盛り上げていく。
――― なぜ朝鮮通信使なのか ―――
過去韓国から伝来し、今日なお強くわたくしたちの生活に影響が残っているものは、仏教・陶器等多くある。
しかし、近年において強く影響を与えながら案外その存在を忘れられがちな”朝鮮通信使”に焦点を当てることにより、これまで知らずにいたが韓国にはとてもお世話なったのだという思いを抱かせ、韓国に対するイメージを変えることがることができる。
― (具体例) ―
今もなお地域イベントとして行われている例として、岐阜県大垣市の”大垣祭り”を上げてみる。
この祭りはこの地域の2大祭りの一つであり、江戸時代から各町内で保存してきた”山車”(世界遺産登録)で市街地を練り歩くもの
である。
しかし、その”山車”が朝鮮通信使の行列をモデルにして作られていることを知る市民は少ない。
こういった各地に残る朝鮮通信使の影響を受けたイベントを盛り上げていくことにより、人々の意識を変えていく。
また朝鮮通信使を世界遺産登録を目指すNPO法人 朝鮮通信使縁地連絡協議会によっても活動が続けられている。
例に挙げた大垣市においても2015年朝鮮通信使のパレードが実施されている。
今後はこの朝鮮通信使縁地連絡協議会ともタイアップしながら、毎年各地で行えるようにしていく必要がある。
朝鮮通信使のもう一つの目的
朝鮮通信使は、新井白石の言葉を借りれば”文をもって武に報いる”思想を基に500名を超えるスケールで行われていた。
こうした思想の下12回に亘り行われた通信使行列により、多くの文化交流が行われた。今日これに焦点が当てられがちであるが、
もう一つの面があることを忘れてはならない。
それは、秀吉による文禄・慶長の役に朝鮮の地から日本に連行された5~7万人といわれる子女を取り戻すためであった。
帰国を果たした人は、朝鮮通信使の始まる交渉の過程で2620名、1回目1420名、その後312名、146名、2名、14名と続いた。しかし 後の数万の人は心ならずもこの日本に残り多くの子孫を残した。
現在北朝鮮に対して、拉致を非難している日本人が、過去数万規模の拉致を犯していた事実と、私たちの多くの人が加害者・被害 者双方の当事者の子孫であることを知ることになる。
そのことにより、改めて歴史に向かい合えるきっかけてなり、真の両国の友好につながることになれる。
1). 美濃路を通った朝鮮通信使
2). NPO法人 朝鮮通支援連絡協議会
3). おおがき・朝鮮通信使行列 2016/11/14・15
4). 小説 つばめ ジェームズ三木 NHK出版
-ⅱ 互いの国に父母を持つ子供たちが意見を発表する
今の日本と韓国の国民感情を見ると、加害者と被害者という立場に違いを考慮しても冷静さが足りないのではないか。朴ウネ政権打倒運動や慰安婦問題を見るとそう感じる。
世界日報の記事にも、韓国民の感情を次のように表現している。”一方で韓国のデモは右向け右で相手を追い詰める「魔女狩りに流れる欠点」(韓国政府系シンクタンク幹部)も内包している。”世界日報 12/07付 特集記事より
そんな韓国人を説得するのはむつかしい。日本人や他国の者では納得しないであろう。両国に父母を持つ子供であれば、互いの国の事情も理解できるので、彼らの意見であれば受入せざるを得ないのではないか。
彼らは、自分の祖父母が被害を受けた人であり、加害者でもあるので、互いの祖父母の心情もよく理解できる。そして、彼らの意見は孫の立場からの意見ともなるので、受け入れやすくなる。
そこで、感情的になっている父母の国の人に対して、自分の両方の祖父母に意見をするように、”両国民が仲良くするためにはどうしたらよいか”検討し発言していく場を各地で開催し、両国民の意識を変え友好を進めていくようににさせる。
1). どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層(下) 世界日報 12/07付 特集記事
《具体策》 『日韓家庭子女の意見を表す運動』の推進
日本、.韓国の国際結婚をした家庭の子供たちに、自分の双方の祖父母に対してどうしたら仲良くできるのかを討論してもらい、それを発表してする。それを各地で行うことにより、より多くの人の意識を変えていく。
これは言論界が中心と進めていかなければならない。
-ⅲ 互いの役割を理解した父母の立場の確立
日本と韓国の国民が兄弟の立場から父母の立場へと意識を返還させていくには、本然の父母とはどんなものなのかを明らかに示していかなければならない。
日本と韓国とが手を組んで他国を育てていく思想、2国間の関係を『本然の父母』にする思想が必要である。
そのためには、長きに亘って続いてきた”男尊女卑”の考え方からくる”母(女性)”の立場を変えていかなければならない。従来の”個”の立場から進められてきた”ウーマンリブ”とは違う、”家庭”の立場からの”母(女性)”の地位向上運動を行う必要がある。
特に韓国において、強く進めていかなくてはならない。
《具体策》 『本然の父母とは何かを具体的に実践する運動』の推進
これまで個人の幸せを追求した宗教は数多くあったが、家庭の幸せを明確に示したものはなかった。キリスト教、仏教、イスラム教等をとっても個人完成を目指しており、あるべき父母像(夫婦像)を明確に指し示せていない。
そこで各宗教指導者を会し、”あるべき父母像(夫婦像)を具体的に指し示せられるようにする”宗教指導者協議会をつくり、それぞれの信徒たちにあるべき夫婦像に沿って指導していく必要がある。
この宗教指導者協議会を束ねていく者は、先駆けて本然の家庭を目指して活動している世界平和統一家庭連合であると考える。
そして家庭連合が中心となって、『真の家庭運動』を分かりやすく示していく。例えば、家庭連合の各家庭が見本となり実体を持って地域に示していく。